すべてを指導する | Everlead

先日、研究室で「見捨てるのが本人のため」と言った。しかし思い返してみると誤解を招きかねない表現だったので、補足しておく。

これは、指導者は何もするな、ということではない。どちらかといえば、「過干渉はやめるべきだ」というのが近い。

生徒に対して「そんなんでうまくいくわけねーだろ、こうしろボケ」と言って行動を強制すると、本人が考えて選択する機会を奪う。結果、「行動すれども学ばず」となる。指導側の人望によっては、生徒の「俺は奴のくだらない思い上がりのために不当な指導を受けている」といった反発を招く可能性もある。

それよりも、「そんな装備で大丈夫か?」と言うべきだ。「大丈夫だ、問題ない」で終わるのが怖ければ、「そのままだときっとこういう事になると思うよ」あるいは「こういう事になりかねないよ」と言っておくのもいい。これは結果の予想を伝えているだけで、行動の強制ではない。

いずれにせよ、言及(mention)に留めることが肝心だ。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という。言及で失敗を回避できる生徒は、失敗を経験する必要はない。言及があってもそのまま失敗するような生徒には、失敗させる必要がある。失敗から学ばせる必要がある。

こんな指導方針で大丈夫か?