ウィンカーリレー

バイクのウィンカーが常点灯になってしまった。H氏に相談したところ、こんな時は電球を換えれば治ることが多いらしい。リレーでやっているとしたら電球は切替回路とは独立じゃないのかなあ。電球交換で直る理屈が分からない。しかし換えたら確かに治ってしまった。なぜだろうか。

まずは、ウィンカーの回路の仕組みを考えることにした。コンデンサが云々というのをヒントに自力で考えたところ、リレー2個コンデンサ2個で組めるという所までは考えついた。しかし正解は、巻数の違うコイル2本とコンデンサ1個を使ったリレーで実現してしまうらしい。正解の回路は http://xj750e.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-d020.html を参照したが、どうも回路図が間違っている。また、動作の説明に中途半端な所があるので、修正を考えて書き直した。

ウィンカーリレー

R2は左電球、R3は右電球である。L1の右の接点はb接点である。つまり、L1にもL2にも電流が流れていないときは、接点はバネの力で閉じている。接点には磁石がついている。コイルL1に電流が流れると接点を開く方向に力がかかり、コイルL2に電流が流れると接点を閉じる方向に力がかかる。L2の方が巻数が多いので、両方に同じだけ電流が流れた場合は、接点は閉じたままである。


さて、今、左ウィンカーを出すべく3接点スイッチをR2に切り替えたとする。すると、回路に電流が流れ、左電球が点灯する。最初はL1とL2にほぼ同じだけ電流が流れるので、接点は閉じたままである。C1に電荷が溜まると共に、C1-L2の所にはあまり電流が流れなくなってくる。じきにL1が接点を開く力の方がL2とバネが接点を閉じる力より強くなり、接点が開く。L1とR2には電流は流れなくなり、左電球は消灯する。一方L2には、C1からの放電によって引き続き電流が流れるのだが、この電流は、今までとは向きが逆である!したがって、L2は、今までとはうって変わって接点を開く方向に力をかける。こうして、C1の電圧が下がりL2が接点を開く力の大きさがバネの力の大きさを下回るまで、電球は消灯を続ける。接点が閉じた時点で、電球がまた点灯し、一連の動きの繰り返しとなる。

なお、接点が閉じる時点ではコンデンサ電荷が少し残っているため、2回目以降の点灯時間は一番最初より少しだけ短くなる。

常点灯が電球交換で直る仕組み

電球交換で起きることは限られている。一番ありそうなことは接点の改善による抵抗値の減少である。電球と切替回路が直列だったので、R2が大きくなれば切替回路に流れる電流が減る。それで、L1が接点を開く力がバネの力より弱くなってしまったのかもしれない。バネがそこまで強いとは思えないので、接点の潤滑が悪くなって余計な力が必要になっているのかもしれない。抵抗がどれだけ増して電流がどれだけ減っているのか、テスタで調べてみれば分かるだろうが、大変である。今回は、ここまで理解できた事をもってよしとした。